『そう言われても、いないもんはいないし』
もし、あの女の子を避けるためだけなら…
本当の彼女じゃなくても、フリとかでいい気もする。
って、提案したらどうよ、私。
「……」
“誰かに彼女のフリしてもらえば?”
そう書くだけじゃん。
でも…フリだとしても
誰かが高野くんの彼女になるなんて…嫌だ。
かと言って、
“私が彼女のフリしようか?”とも言えない。
それで、『必要ない』って言われたらどうする?すごい傷付くよ。
「……」
なんて言おうか迷ってたら、
高野くんがスマホの時間を見て「げっ」と声をあげた。
「しまった、休憩中にコンビニ行きたかったんだ。
そろそろ行かないと間に合わねぇ」
「あ……じゃあ行って来たら?」



