『見えるよ』


『相手、こっち見てたりする?』


『なんか、チラチラ見てる気がする』



そう返したら、高野くんが「はぁ〜」っと大きなため息をついて机に突っ伏した。



『どうしたの?』



席が近いから、話し声が聞こえてしまうかもしれない。


だから声出せない話って言ったの?


あの子には聞かれたくない、深刻な話…?



『先週から、あの子なんか変で』


『うん?』


『学校帰りにも店に来たんだけど、何も注文しなくてさ。
この間は店終わるまで居て、』


『うん』



『たぶん、バイト帰りのとこ、
後つけられた』



「は!!?」


「しー!」



思わず大きな声が出てしまって、


「ご、ごめん有名人のビックニュースに驚いちゃった〜…」と言い訳がましくヘラッと笑った。



ま、まじか…


マジもんのストーカー…?