素直になれない高野くんと素直になりたい私。




真矢さんが心配そうな顔を見せた、かと思ったら、


すぐに切り替えて、「ご注文は?」と聞いてきた。



「じゃあ、カフェラテを」


「かしこまりました」



すぐに去っていった真矢さんを見送った後、


店内にいるはずの金髪を探してしまう。


あれ…でも、いないな。


裏に行っちゃったのかな…。


同窓会の時みたいに、また私が空気を悪くしちゃってる。



高野くんと、話したいな…。



はぁ、と何度目かわからないため息をついたとき、


スタッフルームから高野くんが出てきて。


あ、って見つけた瞬間に、



「す、すみません!」



お客さんの、緊張したような声が店内に響いた。


思わずその声の主の方に目を向けると、


そこにいたのは、あのうるさかった女の子と一緒にいた、真面目そうな女の子だった。