期待したくないのに
期待させてくる彼が悪い。
それはもう、
私以外の女の子だって、同じ気持ちなんじゃないのかな。
「翔希くーん!」
「はい、ただいまー」
山西さんとお店に来てから、1ヶ月。
あれからは週に1回、土曜日だけお店に通っている。
そして…
2週間ほど前から、熱烈な高野ファンみたいな女の子が来ている。
「翔希くん、今日のオススメはー?」
「日替わりのオススメなんかやってないから」
「じゃあ、何頼んでくれたら嬉しい?」
「何でもいいよ。
金落としてくれたら何でも嬉しい」
「現金すぎ〜〜!」