……だって。
「高野くん、山西さんのこと可愛いって言った〜〜!」
山西さんにだけ聞こえるくらいの声で、ムスッとしながら言う。
そんなこと、山西さんに言ってもどうしようもないけどさ。
高野くん、メンクイだもんなぁ…。
「彼、高野くんっていうのね。
なんか女の子の扱い慣れてそうな人だね。
一言でいうなら、チャラい」
チャラいなんて、失礼な。
「友達作るのが上手いだけ…だと思う」
「あ〜なるほどね」
「………」
「……わたしにヤキモチ妬いた?」
山西さんが、下から覗き込むように私を見てそう言った。
「……うん」
「三澤ちゃんの好きな人なんだから、
わたしはなにもしないよ」
ポンポン、と頭を撫でられる。
……わかってる。
山西さんが高野くんを…とは、思ってない。
でも……。



