「三澤ちゃんは寒色系の方が似合うと思うの」



今日は土曜日だというのに


学校では時間があんまりないからって、


なんと山西さんがうちに来てくれて、メイクを教えてくれている。



「この間あげた赤いリップも、暗めの色で、鮮やかすぎなかったでしょ?
って、まだ使ってないか」


「つ、使ったよ!」



その日のことを思い出すと、なんだか恥ずかしくなる。


だって、


私、高野くんの手の甲にキスした…ってことじゃん。



「なになに?なんかめっちゃ顔赤い」


「へ、ぇ!?
そんなことない、です!」


「あー、わかった。
男だ?」



山西さんが、ニヤリと面白そうに笑った。



「ち、違うよ!」


「この間もそんな匂わせしてたじゃん。
メイクしたいって言い出したのも、男?」