もう一口、コーヒーを飲もうとしたら、
さっき女の人が座った席に、男の人がやって来た。
「ごめんね遠野さん。待った?」
「いえ。さっき来たとこです」
眼鏡をかけてスーツを着た、知的そうな男性と、
さっきまで高野くんと親しげに話していた女性が、同じテーブルに向き合って座っていた。
「すみません」
少ししてから男性が、すぐ近くにいた高野くんに声をかけた。
高野くんは私を放ってすぐに向こうに行くと、オーダーをとってお店の裏の方に行ってしまった。
……まさか
後から来る人が、男性とは…。
もしかして…
高野くんがあの女性のことを好きなら、
すごく、ショック受けてるんじゃ…?



