高野くんを目で追っていると、


高野くんがこっちの方に歩いてきて。


近くに来た時、「すいません!」って声をかけた。



「はい…って、三澤?」


「注文、いいですか…」


「あ…うん。
え、ホントに三澤?」



私の顔を覗き込む高野くん。


まじまじと見られて、思わず目を逸らした。



「……なんか、顔違くね?」


「友達に、メイクしてもらって」


「ふーん…」


「………」


「………」


「………」


「……で、注文は?」



え。


感想、なし?


『ふーん』だけ?


あー…そっか。


私がメイクしようが、興味ないのか。


そりゃそうか。


興味ない人が何しようが、興味ないわなぁ。