素直になれない高野くんと素直になりたい私。




メイクしてもらって、ちょっと自信がついたからか、


表には出さなかったけど、一日中テンション高かった。


なんか今日は授業も頭に入った気がするぜ。


山西さんのおかげだ。




放課後になって、教室を出て行こうとする山西さんを追いかける。



「山西さん!」


「ん?
三澤ちゃん、どうかした?」


「あの、メイク、ありがとう!
ちょっと自信ついた!」


「自信?
あー、三澤ちゃん、好きな人でもいるの?」


「えっ!?
いや、そういうわけでは…!」


「あは、冗談だって。
あ、そうだ」



山西さんが何か思い出したようにカバンをあさると、


メイクポーチの中から、赤いリップを取り出した。



「これわたし使わないから、
三澤ちゃんにあげる」


「え、いいの?」


「うん。
結構色赤めだから使いにくいかもだけど、
三澤ちゃん似合うと思うよ」


「ありがとう…!
お金とか…」


「いいよいいよ、気にしないで貰ってよ」