素直になれない高野くんと素直になりたい私。




「…え…いいの?」


「やりながら教えたげる。
まだホームルーム始まるまで時間あるし、
ほら、座った座った!」



さすが山西さん。


こんなお願いも優しく聞いてくれるなんて。


モテる女はやっぱり中身も女神か…!



「よし、じゃ始めるよ〜。
(前から三澤ちゃんいじってみたかったんだよね〜。自分から言ってくれるなんて、神様ありがとう〜!)」


「……はいっ!(……?)」



心なしかすごく楽しそうな山西さんに少し不安もあったけど、


さすが毎日メイクしてる山西さんだ。



その手際の良さで、あっという間にメイクが終わった。






「めっちゃ早いね…!」


「薄めのナチュラルメイクだからね。
三澤ちゃん、思った通り化粧映えするね」


「え…そう?」


「うん。
アイシャドウとグロスだけでもやっとくとだいぶ華やかに見えるよ」



ほら、って鏡を私に向けてくれる。


……本当だ。


いつもの私だけど、ちょっと違う。


一気に大人っぽくなったような気がする。