素直になれない高野くんと素直になりたい私。











「山西さん!」


「三澤ちゃん?
どしたの?」


「私に、メイクを教えてほしいのですが!」



学校に着くなり、同じクラスのモテ女である山西さんのもとに向かった。


山西さんは元より顔が良いこともあるけど、濃すぎないメイクがより美しいのだと思う。


そんな山西さんに、床に膝をついてお願いすると、


「待って待って」と腕を引っ張られて立たされた。



「そこまでしなくていいから!」


「ごめん…」


「三澤ちゃん、
メイクしたいの?」



山西さんの問いに、ブンブンと首を勢いよく縦に振った。



「じゃあさ……



今から、わたしがメイクしてもいい?」