……忙しそうだなぁ。
もう少し待った方が良かったかな。でも居ても邪魔だろうし…。
とりあえず席を立ってレジの前で待っていたら、
後ろから来た高野くんが、私から伝票をパッと奪い取って、レジに立った。
「スタンプカード作る?」
「え?」
「これからも来るならお得になるやつ」
「あ、じゃあ、お願いします…」
あ、しまった。
絶対また来るって意思表示しちゃった。
「じゃ作っとく」
手際よくカードにスタンプを押して、『はい』って渡してくれた。
いや、スタンプカードよりも先に…
「あの、会計は…」
財布を開いてお金を出そうとしたら、
高野くんに
「あー、いいから。
俺の奢り」
そう言われて、取り出したお金を突き返された。



