一人用の席はないから、二人用の席に案内してくれる。


案内された席に座ると、


高野くんがトン、とメニュー表を置いてくれた。



「この時間って食事する人もいるんだけど、
三澤は何にする?」


「あ…いや、ご飯は家で食べるから」


「はぁ?じゃあ何しに来たんだよ」


「なにって…
コーヒー飲みに…」



え?


この時間にコーヒー一杯だけ飲みに来る常連じゃない女子高生って変なの?



「おまえさぁ…。
ここ来る時に俺に連絡するんじゃなかったの?
そのために連絡先交換したのに」


「あー……」



そういえば、そういう理由で連絡先聞いたんだっけ。


連絡先聞くことしか考えてなかったから、ここで連絡すること考えてなかった。