「ねぇさくら。今年も満開の桜、綺麗だよ。一緒にお花見したいね。」
「.....」
「あれから25年。色んなことがあったね。時間もあるしちょっとばかり一緒に振り返ってみようか。」

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あの日のことは今でも鮮明に覚えている。
初めて出会ったあの日のことを。

君と出会ったあの日は桜が満開だった。




「きみ!女の子が木に登るなんて危ないよ!!」
「おいっしょっ!ふふーん!大丈夫よ!木登りは得意なの!」

木の上からポニーテールの女の子がひょっこり下を覗き込む。


「初めまして!あなた!なまえなんていうの?!」
「ぼくは祐也(ゆうや)、、、」
「はじめましてゆうやくん♪わたしはさくらって言うの!今年で7才!この4月に引っ越して来たの!」

その少女は軽々木から降りてきて
よろしくと握手をしてきた。

「う...うん。はじめまして...さくらちゃん」

それはまるで桜吹雪のように荒い自己紹介ででも、当時引っ込み思案だった僕はどこか憧れをもったさくらとの出会いだった。

「ふふっ、おめでとう!君がさくらの1番最初の友達に選ばれました!」
「え、、え?!」
「じゃあ、またね!」

そう言って彼女は地面に置いてあったランドセルをもって呼ばれた親の元へ去っていった。