「おい!」
肩をつかまれて。
えっ? と、思ったときには、あたしはもう引っ張られていた。
「ちょっ! なっ……」
せっかく1番前に立てるはずだったのに。
振ってもつねっても離れない、あたしの腕をつかんだ藤島の手は、あたしをズルズル引きずっていく。
朝の駅に立っている人は、もちろんだれもがいまおきてることに無関心だから。
あたしはあれよあれよという間に、藤島にホームの壁際に押さえこまれていた。
「放せ!」
藤島の手が素直にあたしの腕を放したのは、どうせあたしは身動きできないと思っているからに決まっていた。
でっかい身体に目の前をふさがれて、頭にくることに、あたしに見えるのはもう藤島だけだ。
「…ったく!」藤島があたしを見下ろしながら、不機嫌に吐き捨てる。
「いきなり蹴りやがって。骨にヒビでも入ったら、どうすんだ、ばか。あぶねえだろが」
おおげさな。
「そりゃ悪かった」
「あやまってもらっても、脚はだめだ。許せねえ」
えっ?
そりゃあ、こっちも本気であやまってないけど。
思ってもいなかった強い口調で責められて。あたしがおどろいているうちに藤島はどんどんつけあがってきた。
肩をつかまれて。
えっ? と、思ったときには、あたしはもう引っ張られていた。
「ちょっ! なっ……」
せっかく1番前に立てるはずだったのに。
振ってもつねっても離れない、あたしの腕をつかんだ藤島の手は、あたしをズルズル引きずっていく。
朝の駅に立っている人は、もちろんだれもがいまおきてることに無関心だから。
あたしはあれよあれよという間に、藤島にホームの壁際に押さえこまれていた。
「放せ!」
藤島の手が素直にあたしの腕を放したのは、どうせあたしは身動きできないと思っているからに決まっていた。
でっかい身体に目の前をふさがれて、頭にくることに、あたしに見えるのはもう藤島だけだ。
「…ったく!」藤島があたしを見下ろしながら、不機嫌に吐き捨てる。
「いきなり蹴りやがって。骨にヒビでも入ったら、どうすんだ、ばか。あぶねえだろが」
おおげさな。
「そりゃ悪かった」
「あやまってもらっても、脚はだめだ。許せねえ」
えっ?
そりゃあ、こっちも本気であやまってないけど。
思ってもいなかった強い口調で責められて。あたしがおどろいているうちに藤島はどんどんつけあがってきた。



