「涼子に信じてもらえなくても、あたしはもう言ったから。アイツとは無関係。二度とこの話はしないで」
「ふぅーん」
まったく納得していない鼻声で返事をして、涼子がお弁当にうつむく。
ほかの子に誤解されていたって、気にしないけど。
ちゃんと――少なくてもできるかぎり――わかってもらいたくて話したのに、そんな返事をされちゃ、あたしだって納得いかない。
「涼子」
あたしの抗議の声に、おはしを唇の端にはさんだ涼子が顔をあげる。
じーっとあたしを見た目は、なにかを高速で考えている?
なに?
「だったらもしかしてぇ……。あたしがいつも明緒といるから、藤島くん、あたしに話しかけられなかった…とか?」
えっ。
「だって、4年間も無視してる子が、いつもいっしょにいたら、いやでしょ、やっぱり」
「涼…子――…」
「あ、別に、責めてるんじゃないのよ、明緒のこと」
責めてるよ。
「…………」
隠しきれなかった。傷ついたことを。



