「あっ……」「あっ」
でも、感動のご対面は、止まった電車からはきだされる人波に、一時おあずけ。
(ナーイス!)
ホームにころがり出ると、涼子はあたしの腕にすがりついてきた。
「ちょっと! 明緒ってば気づかなかったの? いま藤島くんいたよ!」
「ふーん」
おざなりに返事をしながら実はあせっているあたしは、涼子の背中を押して改札口にいそぐ。
アイツが涼子に話しかけてこないうちに。
「もう、どうしよう、明緒。バッチリ目があっちゃった、あたし」
「ヘー」
口元にげんこつをあてて、くすくす笑う涼子の頬がピンクに染まっている。
こんなときなのに、思わず見とれちゃうかわいらしさだ。
だから絶対、涼子のこんな顔は藤島には見せない。
猫にかつおぶし、女ったらしに飛んで火に入る夏の虫!
早く! 早く!
でも、感動のご対面は、止まった電車からはきだされる人波に、一時おあずけ。
(ナーイス!)
ホームにころがり出ると、涼子はあたしの腕にすがりついてきた。
「ちょっと! 明緒ってば気づかなかったの? いま藤島くんいたよ!」
「ふーん」
おざなりに返事をしながら実はあせっているあたしは、涼子の背中を押して改札口にいそぐ。
アイツが涼子に話しかけてこないうちに。
「もう、どうしよう、明緒。バッチリ目があっちゃった、あたし」
「ヘー」
口元にげんこつをあてて、くすくす笑う涼子の頬がピンクに染まっている。
こんなときなのに、思わず見とれちゃうかわいらしさだ。
だから絶対、涼子のこんな顔は藤島には見せない。
猫にかつおぶし、女ったらしに飛んで火に入る夏の虫!
早く! 早く!



