もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー

 思えば高校生になってもう半年。 
 つまり、涼子(りょうこ)と友だちになって半年になるけど。
 なんだか女友だちっていう関係は、あたしには、こそばゆいことばかり。
 いっしょに学校に通うとか。
 お弁当を食べるとか。
 さすがにトイレは遠慮(えんりょ)してるけど。
 涼子のしたがることをいっしょにしていると、なんだか幼稚園生にでももどった気分。
明緒(あきお)ぉ?」
 ん?
「もしあたしに恋人ができても、あたしは明緒を1番にしてあげるから、ね」
「…………」
 本当に幼稚園生だと思いながら、今度は笑えなかった。
 だって、本音しかない涼子の言葉は、いつだって信じられるから。
 それに気づかない相手にはきらわれて。
 おおかたの子は気づかないから、もちろんクラスの女子にはきらわれて、涼子は風当たりがきつそうだけど。
「ううう。なんて泣かせるセリフだぁ。ありがとうごぜーますだ、お姫様」
 あたしは好きだよ、ありがとね。