なにを教えてもあたしよりへたで!
どんな手を使ったか知らないけど、漢字もまともに書けなかったくせに同じ高校にまで入ってきちゃって!
きっと勉強に追いつけないから部活もできない!
女の子を泣かせまくっている!
ただデカイだけの!
バカ?
かんべんしてよね、ばからしい。
アイツのことなら、あたしのほうが、ずーっとよく知ってるの!
「いいかげん、しつこいよ、涼子。なんかそれじゃ、あたしにわざわざライバルになれって言ってるみたいじゃない。いいの? 友だちが同じ男の子を好きで?」
「…………」
ほら、ごらん。
「いい? ひとには、いろんなシュミがあるんだから! ほっとけばいいの。ねっ」
(ああ……)
なんかまるで、自分に言い聞かせているみたい。
そうだよね、ほうっておけばいいの。
涼子がだれを好きだって。
「…………」涼子が唇をかんで、まだなにか言いたそうにあたしをじっと見る。
「まあ、明緒がそう言うんなら、それで納得してもいいけど――」
けど?
あたしだって泣く泣く納得してるんだから、あなたもしなさい、まったくもう。
ふてくされたみたいに唇をとがらせて、あたしを見上げていた涼子の目が、だんだん、おもしろそうに揺れだした。
なに?
「明緒」
はい。
「だからって、あたしのことが1番好き! …とか、言っちゃやぁよ」
へっ?
「ちょっ…、それって――?」
聞き返す言葉を探しているあたしの肩に、涼子が笑いながら頭をこすりつけてくる。
「ま、いいけどねえ。あたしたち、親友だからぁ」
「ははは……」
笑うしかない。
まったくもう。
どんな手を使ったか知らないけど、漢字もまともに書けなかったくせに同じ高校にまで入ってきちゃって!
きっと勉強に追いつけないから部活もできない!
女の子を泣かせまくっている!
ただデカイだけの!
バカ?
かんべんしてよね、ばからしい。
アイツのことなら、あたしのほうが、ずーっとよく知ってるの!
「いいかげん、しつこいよ、涼子。なんかそれじゃ、あたしにわざわざライバルになれって言ってるみたいじゃない。いいの? 友だちが同じ男の子を好きで?」
「…………」
ほら、ごらん。
「いい? ひとには、いろんなシュミがあるんだから! ほっとけばいいの。ねっ」
(ああ……)
なんかまるで、自分に言い聞かせているみたい。
そうだよね、ほうっておけばいいの。
涼子がだれを好きだって。
「…………」涼子が唇をかんで、まだなにか言いたそうにあたしをじっと見る。
「まあ、明緒がそう言うんなら、それで納得してもいいけど――」
けど?
あたしだって泣く泣く納得してるんだから、あなたもしなさい、まったくもう。
ふてくされたみたいに唇をとがらせて、あたしを見上げていた涼子の目が、だんだん、おもしろそうに揺れだした。
なに?
「明緒」
はい。
「だからって、あたしのことが1番好き! …とか、言っちゃやぁよ」
へっ?
「ちょっ…、それって――?」
聞き返す言葉を探しているあたしの肩に、涼子が笑いながら頭をこすりつけてくる。
「ま、いいけどねえ。あたしたち、親友だからぁ」
「ははは……」
笑うしかない。
まったくもう。



