もういちど初めからー塩キャラメルとビターチョコー

 でもしばらくそうして歩いていたら、当然のように、あたしはなにをしてるのかしら、という思いがむらむらと()きあがってきて。
慎吾(しんご)」「あきお……」
 名前を口にしたと同時に自分の名前を聞くはめになってしまった。

(んもう!)
 こういうの、本当にいやだ。
 こういうの、以心伝心(いしんでんしん)なんて思わないからね。

 (くちびる)がとがったのは自覚したけど、気づいた慎吾が笑ったのがまた腹立たしい。
「お先にどうぞ、親分」
 慎吾はおどけて肩をすくめた。
「…………」
 お芝居じゃあるまいし、そんなことを言われて、いきなり親分になれるか。
(はぁ……)
 どうしてこいつとあたしは、こんなにタイミングが悪いわけ?
 しかも、むかつくことに。
 結局言うなりになってるのは、あたしじゃないか。