……初めてだなぁ、おうくんと休日を過ごすの。
「とりあえず、私服がないと何かと不便だよな?」
わたしは今、私服がないので体育の授業で着る用のジャージで過ごしている。
そう聞いてくるおうくんに、わたしは首を横には振れなかった。
「珠華だけがジャージだと不自然だし、よしっ! 俺もジャージ着よ」
おうくんは、立ち上がってから指をパチッと鳴らした。
「えっ、そんなわざわざ考えなくてもいいのに……」
「俺だって別にお前のこと、こんなに考えたくて考えてる訳じゃねぇよ」
おうくんはそう言って、ほんのちょっぴり、唇を尖らせてから着替えるために自分の部屋へと行った。
……考えたくて、考えてる訳じゃない?
なんだか、おうくんが何を言いたいのかよく分かんないなぁ。
「ほら、行くぞ」
わたしが考えている間に、おうくんはもうジャージに着替え終わって部屋からリビングへと戻ってきていた。
「なんだか俺ら、ジョギング行くみたいになってるな」
「本当だね」
クスッ。わたし達は、顔を見合わせて笑った。



