バカな君へ、贈る愛


家に帰っても、わたしの体の震えは止まらなかった。


チラッとおうくんを見ると、まるでさっきまでのことがなかったかのように、平然としている。

視線に気がついたのか、おうくんは自分のブラウンの目とわたしの目を合わせてきた。



「ご、ごめんね……?」



そう言いながら、おうくんは唇を曲げる。



「なんで珠華が謝るんだよ」



「わ、わたしだけがお父さんに怒られればいい話なのに、おうくんを巻き添えにして……」



わたしが言い終わらないうちに、おうくんは肩をすくめた。



「意味わかんね」



「え?」



「親父さんに怒られる要素、珠華のどこにあんだよ。『出てけ』って言われたから、出たんだろ? 珠華は……勝手に出て行った訳じゃない」



「おうくん……?」



「そうだろ?」



「う、うん……」



少し怒りを含んでいたように見えたおうくんの顔は、口からこぼれる『ふっ』という吐息と同時に微笑んだ。



「俺はもう分かってる。珠華は悪くないって」