長い髪を二つに束ね、ブローチのついた白いブラウスに紺色の可愛らしいふんわりとしたスカートを履いた女性がココアブラウンのブーツで歩いている。しかし、彼女が今歩いているのは、人の多い通りではなく、治安の悪そうな裏路地だった。

「この格好、目立つかしら?でも探偵だっておしゃれしたいもの!」

そう呟き、歩く彼女の名前はミシェル。高校を卒業したばかりだ。そんな彼女は大学に通いながら働いている。その職業とは探偵だ。

ミシェルは裏路地を進み、とある廃ビルの前で立ち止まる。その廃ビルの中に彼女は迷うことなく入って行った。ここが探偵事務所だからだ。

廊下を進んでいくと行き止まりになる。ミシェルは壁際に手を近づけた。すると、ピピッと音が響き壁がくるりと回転した。回転した壁の向こうには綺麗な階段がある。

ミシェルの働く探偵事務所は、ただの浮気調査などをする場所ではない。警察が手に負えない事件を解決する危険と隣り合わせの探偵事務所なのだ。