「オレ、希空ちゃんに背を向けるから、それならオレの名前を呼べるでしょ」 え……えぇぇーっ⁉ 「では、はい、どうぞ」 真宙くんはそう言って私に背を向けた。 真宙くん、私に背を向けて『はい、どうぞ』って、そんなこと言われても……。 そんな簡単じゃないんだから……っ。 「のーあーちゃん」 私が、なかなか真宙くんの名前を呼ばないからか、真宙くんは私に背を向けたまま、そう呼んだ。 な……なに、その呼び方っ。 人の気持ちも知らないで……っ。