「希空ちゃん」
真宙くんは、またまた私の顔を覗き込んだ。
まっ……またまた……近い……‼ 顔が……‼
「……恥ずかしい……」
私は、あまりにも恥ずかしくて声が小さくなってしまった。
「え……?」
やっぱり私の言葉は、真宙くんには聞こえていなかったみたいで。
「本人を目の前に名前で呼ぶなんて……恥ずかしい……」
私は、もう少しだけ声のボリュームを上げてそう言った。
「そっかぁ」
え……?
わかってくれた……?
じゃあ、本人の目の前で名前を呼ぶことは、これで免除されたということでいいのかな……?
「わかった」
やっぱり、わかってくれた……っ。
「じゃあ」
え……。
『じゃあ』……?



