「希空ちゃん」 静かに海を見つめていた真宙くんが、やさしく私の名前を呼んだ。 「なぁに、真宙くん」 「突然だけど、オレには望みがあるんだ。聞いてくれる?」 「うん」 真宙くんの望み……。 なんだろう。 私は、わくわくした気持ちとドキドキした気持ちが混ざりながら、真宙くんの話を待つ。 そして。 「あのね」 真宙くんが話を始める。 その内容は……。