君と見る空は、いつだって青くて美しい




 それは、あの女子児童に手を拭かれてしまったという被害にあった女子児童のこと。

 私は、被害にあった女子児童の味方をしたのに、その女子児童もみんなと一緒に私のことを無視している。

 それは……なんていうのか、何とも言えない気持ちになった。
 あー、こういうことなんだな、現実って。
 自分がどんなに正義の気持ちで言っても、相手は少しもわかってくれない。

 それどころか、こんな仕打ちをされてしまう。
 そう思うと、もう何も言えない。
 というより、言うことが怖くなってくる。
 もう何も言えない。
 もう何も……。

 その日以降、私は何も言えない自分に逆戻りした。
 というより、そのときよりももっと何も言えなくなってしまったと思う。