そんなことをされたら、きっと他の園児たちなら、何か反応するのだと思う。
泣くとか、怒るとか、反発するとか、先生に助けを求めるとか。
でも私は違っていた。
そんなことをされていても、私は泣きもしなければ、怒りもしない。「やめてよ」と反発もしなければ、先生に助けを求めることもしなかった。
今思えば、なぜあのときは、泣きも怒りも反発も先生に助けを求めることもしなかったのだろうと思う。
そんな自分が不思議だと思う。
けれど。
不思議だと思う反面。
そのときの私は、他の園児たちに比べて少しぼーっとした子だったような気がする。
だから、いじめにあっているのに何も言えなかった……言わなかったのかもしれない。
そんな感じで、私の幼稚園生活は、わけがわからないまま過ぎていった。



