あと、『自分の過去のこと』と『自分の過去を話す理由』以外にも、真宙くんに話しておきたいことがあった。


 それは、黒川さんが私を脅すために言ったあの言葉は、あながち間違っていないということ。

 黒川さんは結局、私の過去は知らなかったけれど、私が他人に隠しておきたい過去があるというのは本当のことだということ。


 それらのことを私の過去の話をする前に真宙くんに話した。



 真宙くんは、いつものようにやさしい表情で静かに私の話を聞いてくれていた。

 真宙くんのやさしさのおかげで、私は安心して真宙くんに話をすることができている。