君と見る空は、いつだって青くて美しい




「おとなしそうに見えて、裏では青野くんのことを誘惑してたんだな‼」


 ……⁉

 そ……そんな、私が真宙くんのことを誘惑しているなんて……‼


「なんてキタナイ女‼」


 ちょ……ちょっと待って、黒川さん……‼

 私、そんなことしていない‼


 って、今、私が叫んでいるのは全て心の中。
 だから、私の言葉は、黒川さんには全く聞こえていない。

 本当なら声を出して黒川さんに伝えなくてはいけない。
 でも、伝えようとしても、極度の緊張と恐怖のせいか声が全く出ない。


「そうじゃなかったら……」


 ……?

 そうじゃなかったら……?