「……お前さぁ」


 ……⁉

 え……?

 お前……?

 お前って……?

 声のトーンは『ねぇ』と言ったときと変わらないまま、黒川さんが私のことを『お前』と言ったことに、私は驚き過ぎて声が出なかった。

 やっぱり、この間の黒川さんと違う。

 黒川さんの様子の違いに、私はついていくことができない。

 それなのに。