黒川さん、この間とは、なにか雰囲気が違うような……。

 あのときは、恐ろしいくらいの笑顔で私に接してきた。

 だけど、今日は、なんだろう。

 あのときのような恐ろしいくらいの笑顔ではないけれど、また、なにか違った意味で恐怖を感じるというか……。

 わからない、わからないけれど、なにか良からぬものを感じる。



 そう思いながら歩いていたら、あっという間に体育館裏に着いた。


 体育館裏に着いたら、黒川さんはすぐに何か話してくると思った。

 だけど。


「…………」


 黒川さん……?

 体育館裏に着いても黒川さんはすぐに話してこない。

 この沈黙が余計に恐怖を感じさせる。