「あのさ、今、ちょっといい?」 ……‼ 今、口を開いた女子生徒はそう言った。 私は、また自分の世界に入り込みそうになってしまっていた。 なので、女子生徒が声をかけたときに、少しびっくりしてしまった。 少しびっくりしてしまったせいか、私はすぐに声を出すことができなかった。 だけど、とりあえず声は出さなければいけないと思い、声を出そうと必死に振り絞る。 そして。 「……うん……」 本当は嫌だと思いながら、私はそう返事をした。