「なんで同じ学年なのに、そんなにも丁寧な言葉で話してるの?」


「え……」


 同じ学年……?

 私はその男の子の服装を見た。

 本当だ。
 今、見て初めて気付いた。
 この男の子の制服、私が通っている高校の制服だ。
 ということは、私と同じ高校。

 その男の子と同じ高校だと知った私は、それと同時に、その男の子がしているネクタイも目に入った。
 その男の子がしているネクタイの色は青色。
 そして私のリボンの色も青色。
 同じ青色だから、私とその男の子は同じ高校二年生。


「同じ学年なんだから『です』・『ます』は抜きでいこうよ」


 その男の子はそう言った。

 なので。


「そうですね……あっ、じゃなくて、そうだね」


 まだ、ぎこちないけれど、私も丁寧語は抜きで話すことにした。