「本当に大丈夫なの? やっぱりオレも希空ちゃんと一緒に教室の中に入っていくよ」


 真宙くんは心配そうにそう言った。

 本当に真宙くんは優しくて思いやりがある。

 そんな真宙くんの優しさと思いやりに包まれていれば、私は、なんとか勇気を出すことができる。

 だから。


「本当に大丈夫。ありがとう、真宙くん」


「希空ちゃん……」


「じゃあ、行ってくるね」


 私はそう言って教室の方へ向かい始めた。