「そんなことないよ、オレが無理やり希空ちゃんのことを教室から連れ出したんだから。そうだ、オレも希空ちゃんと一緒に希空ちゃんのクラスの教室に入って先生にそう言うよ。それで先生に謝るよ」


 真宙くんは私のことを心配してか、先生に謝ろうとしている。

 真宙くんは何も悪くないのに。


「真宙くんが謝る必要はないよ。それに真宙くんと一緒に教室を出たのは、本当に私の意思で決めたことだから」


「希空ちゃん……」


「真宙くんの気持ちは嬉しいよ。本当にありがとう。だから、もうここで大丈夫」


 私がいるクラスの教室があるフロアに着いたところで、私は真宙くんにそう言った。