「とにかく無事でよかった」 そう言ったその男の子の表情は、ほっとした様子だった。 私は、その男の子に心から感謝をした。 あっ、そうだ、まだ私、お礼を言っていなかった。 「あっ、あの、助けてくださってありがとうございました」 「わざわざお礼なんていいよ。あの状況で、ほっておける人はいないから。……それより……」