「そんな、『ありがとう』なんていいよ。オレが希空ちゃんと一緒に屋上に行きたかっただけだから」


 いつもの真宙くんの気遣い。
 真宙くんは、私に気を遣わせないようにと、そう言ってくれている。

 真宙くんと話すようになってから、まだそんなに日にちは経っていないけれど、真宙くんのその心遣いに、私はすでに三度ほど救われている。

 今日も真宙くんに救われなかったら、私はどうなっていたのか。

 そう考えると、真宙くんがあのタイミングで私のことを救ってくれたことは本当にありがたいと思った。

 そして真宙くんのおかげで、私の心がだいぶ落ち着いた。
 だから。


「真宙くん、本当にありがとう。真宙くんのおかげで、だいぶ落ち着くことができたし、少しだけ勇気が出てきた気がする」


 私は真宙くんにそう伝えた。

 そして、その後、こう続ける。