「どうしたの、希空ちゃん。いきなり『ありがとう』って」 真宙くんが不思議そうな顔をして、私の顔を見た。 そんな感じで全く気取らないところが真宙くんらしい。 そんな真宙くんに、私は話を続ける。 「真宙くんが私のことを教室から連れ出してくれたおかげで、私は元気になれた。だから、ありがとう」 私は、もう一度、真宙くんに『ありがとう』を言った。