あの日。

 今日の五日前。

 心療内科の帰りに寄った公園で、真宙くんとばったり会ったあの日。

 あの日、私は恐怖の三分間スピーチが苦痛だというようなことを真宙くんに話した。
 そのときの真宙くんは、私が話していることをやさしく聞いてくれていた。

 でも、三分間スピーチの当日に、私のことを教室から連れ出してくれるという話は真宙くんから聞いていなかった。