「えっ、オレ、スポーツ万能なの? って、希空ちゃん、なんでそう思うの?」
よしっ、真宙くんが話題に乗ってくれたっ。
これで私の話から逸れたっ。
私の話から逸れて、私は、ほっとした気持ちになった。
「あっ、えっと、周りの人たちが、真宙くんはスポーツ万能って言っていて。それが聞こえてきたから……」
「えっ‼」
……‼
私がそう話した後、真宙くんが驚いた声を出したから、私はびっくりしてしまった。
びっくりし過ぎた私は、声を出すことを忘れてしまっていた。
そのとき。
「ということは、希空ちゃん、オレのこと知ってたの?」
驚きながらそう訊いた真宙くん。
「う……うん、名前だけは」
真宙くんに訊かれて、私はそう返答した。
すると。



