「吹雪。寝てるから静かにしてやって」
そういうと、ぶんぶんと首を振る母親。
それでも未だに俺らを凝視してくるから、なんだかその視線から逃れたくなって、吹雪を抱きかかえたまま自分の部屋に向かった。
一人暮らしを始める前に過ごしていた部屋は、埃ひとつないくらい綺麗でホッとした。
……汚い部屋に、吹雪を寝かしておく訳にはいかねぇからな。
「紅蓮!シンさん、あと五分くらいで着くって」
「ああ……そうか、わかった。つーか、丁度いい。肇遙、布団敷いてくれ」
「え、ああ。両手塞がってるもんな。りょーかい」
テキパキと動く肇遙によって、布団は綺麗に敷かれた。その上に吹雪をそっと横にさせて毛布を掛ける。
……取り敢えず、冷やせば……いいんだよな?
他人を看病なんて、医者じゃないんだし早々する機会なんてない。
どうすればいいか分からずに首を傾げていたら、ドタバタとうるさい足音が聞こえて、すぐにシンがきたことがわかった。


