「肇遙、シン呼んできてくれ」
自分の声がこれ以上ないくらい低く、怒りで震えているのがわかった。
「え、シンさん?紅蓮怪我してんのかよ!」
「違う、吹雪だ。腕が折れてる」
わかったと肇遙が言ったのを聞いて、俺は家へと入る。
「蓮ちゃん……!」
久しぶりに呼ばれたその名前。顔だけをその方向に向けると、相変わらずな母親が俺を見て嬉しそうに笑みを浮かべていた。
「蓮ちゃん!久しぶ、り。……え?」
俺の腕の中で眠っている吹雪に気がついたらしい母親は、肇遙と全く同じ反応をして固まった。
「そ、その子、は……?」
信じられないと、俺と吹雪を交互に見てくる。


