吹雪を抱いて、車を降りると同時に聞こえる、厳つい男達の声。




 「黙れ。吹雪が起きる」



 「……その子、吹雪ちゃんっていうの?」




 直ぐに静まった場だが、肇遙は気にしないと、場違いなことを聞いてきて思わず舌打ちが溢れそうになった。



 吹雪と呼んだことにもイラついて、自分が意外と独占欲というのか、嫉妬心というのか……そういうものが強いと知った。




 「……んっ、」




 俺の腕の中で、吹雪が身を捩った。チラリと見えた寝顔は歪んでいて。そこでやっと、吹雪の腕が真っ赤に腫れ上がっていることに気がついた。




 は……?




 今すぐに、これをやった奴を殺してしまいたい。吹雪を抱いている腕に力が入り、慌ててそれを緩めた。