それから、何度か見かけることがあった。初めてしっかりその顔を見たときは、一瞬呼吸が止まったかというほど、見惚れてしまった。



 ただ、一度も笑っている顔を見たことがなくて、そのうち無意識に探すようになっていた。



 今、どこにいるのか。今、何をしているのか。常に頭の中は名前も知らない随分と年下の女のことばかり考えていて。



 気づいたときには、もう手遅れなくらいに、溺れていたんだ。



 どこが好きかと聞かれたら、多分答えられない。



 それでも、その女に、彼女に惹かれたことは、好きになったことは確かなんだ。




 その後の行動は、自分でもびっくりするくらい早かった。



 彼女の素性……名前、住所、年齢、家族、交友関係。全て調べ上げて、なによりも自分が彼女を知っていることに優越感を抱いていた。