王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜




「はい、大丈夫でしたよ!すぐ近くだったし......」



迷うどころか、近いから迷いようがない。

むしろ、帰りのマンション内の方が迷いそうだ。



「変な人に声掛けられてない?」



全く、なんの心配をしているのだと、周りも呆れるくらいの心配っぷりだ。


この街のセキュリティで変な人がいる方が問題だと思うのだけれど......。



「怪我してない?転んでない?」



そんな変なことまで聞いてくる。

私は5歳児じゃないのだから、そう簡単に転んだりしない。


しかも、人目も気にせずに言うから、受付のお姉さんも、待っている患者さん達も、私達のやり取りに注目してしまっている。

恥ずかしいことこの上ない。



「だ、大丈夫ですから!私もう帰りますねっ。お仕事頑張ってください」



耐えきれなくなって、その場から逃げ出そうとした。

増えていく野次馬からは生暖かい視線を感じるものだから、尚更早く離れたい。なのにーー。



「待って、葵。送っていく」