王子系ドクターと溺愛新婚生活〜家政婦ですが結婚するなんて聞いてない!〜



一度に大勢の人に挨拶したから、さすがに覚えられなかった。

もちろん、お義父さまの事は覚えたけれど。



「はい......。あの、爽介さんにーー」



奥様と言われなれていない為、どう反応しようか迷った挙句、要件だけを伝えることになってしまった。


旦那の職場なのだ。

もっと愛想良くしておいた方がいいはずなのに。



「伺っていますよ。すぐ呼びますね!」



だけど、受付のお姉さんはそんな私を気にする素振りも見せないままそう言った。

その直後ーー。



「葵っ!ありがとう」



突然後ろから声が聞こえたと思ったら、いきなり抱きしめられた。


もちろん相手は声の主である、爽介さんだ。

びっくりして心臓止まりそうになるからやめて欲しい。


しかも、お姉さんはまだ連絡していなかったはずだ。


なのにここに来ているということは、待っていたのだろうか......。それとも、たまたまなのか。



「あ、湊先生。今お呼びしようとしていたんですよ」


「うん、ありがとう」