気がつくと僕は、リハビリ室の中に入り、その女の子に近づいていた。
リハビリを中断して、休憩している彼女に話しかける。
「ねぇ、キミはどうしてそんなに頑張れるの?」
間に合わないと分かっていて、必死になれるのはどうして?
僕は違う状況だけど、プレッシャーに耐えられなくて逃げようとしているのに、キミはどうして逃げないでいられるの?
常に前を向けるなんて、すごいと思う。
「えっと......先生?」
彼女も、まさか医者にそんな事を聞かれるとは思わなかったのだろう。
ポカンとした表情をしていた。
じーっと見つめて答えを待っていると、考えるようにしてから彼女は口を開いた。
「うーん......、もう一度、走りたいからかな」
走るだけなら、普通にリハビリをしていれば、いつかはできると思う。
だけど、この子が言っているのは違うのだ。
3ヶ月後に走りたいからと言っているのだろう。
だから、尚更、僕には理解できない。



