じゃあ、今向かっているのはどこ?
エレベーターは、あっという間に6階についた。
そしてここは最上階。ということはこの先の部屋として、想像出来るのは医院長室しかない。
どうしてこんな所に?まさか、医院長にも挨拶をするの?
こんなに、全員に言わなきゃいけないものなのだろうか。
扉を開ける前、爽介さんは立ち止まった。
そのまま入るのかと思っていたのに。
「何を言われても、無視していいから」
「え?」
さすがに、偉い人を前に無視は出来ないよ。
ここは日本内も有名な病院だ。
爽介さんの外科チームなんて、トップ5に入るくらいなのに、そんな凄い病院の、医院長を無視するなんてできるはずがない。
だけど、私が返事をする前に、爽介さんはドアを開けた。
ちょっと待ってと言う暇もない。
「失礼します」
スタスタと入る爽介さんに置いていかれないように、私は無言のまま入る。
一体、医院長はどんな人なんだろうか。爽介さんと仲良くないのか......。



