「ソファーに......」



行こうとしました。そう言えず、遮られてしまう。



「まだそんなことを言うつもり?ここで一緒に寝よう?」


「で、でも」



いきなり一緒に寝るなんて、さすがに緊張する。


契約だからと言っても、一応夫婦だ。

爽介さんを好きという気持ちは分からないけれど、男の人なのだから、ドキドキするに決まっている。

そうしたら、寝る所ではないだろう。



「いいから。だって葵は、僕の奥さんでしょ?」


「っ!!」



そう言った顔に、私は不覚にもときめいてしまった。


だって、“僕の奥さんでしょ?”は、反則すぎる。


そんなことを言われて、ときめかない人は居ないだろう。


更にドキドキが加速した私は、今日は初夜だし、もしかしてこのままーー?と思った。


拒むべきなのは分かっているけれど、受け入れてしまいそうになる。


そんな葛藤を知ってか知らずか、爽介さんは私のおでこにそっとキスを落としてきた。



「おやすみ」